チャーリー・パーカーを生涯の師と定め、自由奔放かつダイレクトでヴィヴィッドな表現を好んだフィル・ウッズ。
パーカーへの入れ込みようは尋常ではなく、パーカーの死後、未亡人チャンと結婚し、子供を引き取った程。本作のコンセプトは、彼の原点であるビ・バップにあり、原点に立ち戻ったフィルの演奏は嬉々としており、熱く燃えるものが感じられます。
曲の冒頭からフィルのアルトとブライアン・リンチのトランペットのソロ・チェイスによって、一気に沸騰し、淀みなく滑らかなメロディラインと溢れ出るアドリブ。中音域の音色も美しい。この曲は、パーカーのオリジナルで彼の渾名「バード」にかけたタイトルであり、アルトサックスとトランペットの掛け合いは、鳥が空中で追いかけ合う様をイメージして作られていますが、さらにパーカーに近づこうとするウッズの悲願としての生き方を象徴しているタイトルのように想えてなりません。
2014年4月10日