所沢景観市民活動クラブ主催の三富景観ツアーに参加しました。
川越、所沢、狭山、ふじみ野、三芳の5市町村に跨がる「三富新田」は江戸期に川越藩主・柳沢吉保が開発。一戸、間口40間、奥行375間、短冊状に均等地割された耕地は「屋敷地」「耕地」「平地林」の三つで構成され、耕地に連なる平地林は、防風の役割を担うほか、燃料や堆肥を生産する場として、また屋敷林に計画植林された竹や杉、ヒノキは、農具や生活用具、建材に活用されていました。
首都圏の急速な都市化の波を受けながらも、環境負荷の少ない循環農法が300年以上経った今も奇跡的に引継がれており、その歴史的、環境的価値は高く、世界農業遺産(GIAHS)への登録が希求されています。
開発当時から六間の道幅があったという表通りから、屋敷地を抜けて畑の畔道を通り雑木林まで歩きました。始めは農地の防風のために植えられた畦畔茶は商品作物としての価値が高まると春先の重要な安定作物になったという。今では74品目の多種多様な農産物が栽培され、様々な今日的な問題を抱えながらも、後継者確保率は埼玉県内トップ、農家のモチベーションも高い。30軒のさつまいも農家が並ぶ通称イモ街道、320年続く農家の若きオーナーが納屋を改造して始めたOIMO cafeは、美味しいさつまいも料理と地場の野菜が評判で連日予約をしないと入れない程です。
2014年12月14日