広瀬鎌二設計の上小沢邸と建築展SH+を拝見しました。
広瀬はSHシリーズという軽量鉄骨造住宅を中心に、構造、工法と意匠の統合を目指したプロダクト・アーキテクトです。源平争乱のさなかの重源の東大寺再建の営為を描いた著作「大厦なる」の中で、限られた費用と時間、そして資材のなかで尽力した重源に、建築家としての理想像を重ねていたようです。
SH-1の原寸フレームモデルの精緻さに目を奪われました。戦後の極度の材料不足の中、経済性を追求したシンプルな架構は鉄骨というより金物工事のレベル。弾力のある意思と静かな知性を感じます。