Sunset Atmosphere

 昨日、都立美術館で「ハマスホイとデンマーク絵画」展へ。

 ハマスホイの「背を向けた女性のいる室内」、「開いた扉」、「陽光習作」等は期待通りの素晴らしい作品でしたが、同時に19世紀「デンマーク絵画の黄金期」の素朴で穏やかな作品群に胸を掴まれました。メインストリームの喧騒から離れて、身近な人物や風景を黙々と描いた秀作群。中でもユーリウス・ボウルスン作「夕暮れ」の印象が頭から離れません。

 地平線に沈む太陽を背に立つ2本のオークの樹。黄昏時の溶け出すような情感を表現するために、僅かにフォーカスをぼかすというシンプルな操作、余分な優しさを削り落としたその密かな一手に脱帽。